新型コロナウイルスの感染拡大や、ロシアのウクライナ侵攻といった危機的状況に伴う社会・経済の不安定の影響から、多くの中小企業は引き続き厳しい経営環境に直面しています。
こうした状況下、東京都では中小企業を支援する助成金制度を継続して展開しています。
今回示された、第4回・躍進的な事業推進のための設備投資支援事業について解説します。
事業の目的
この支援事業は、周囲の環境変化やビジネス変革に向き合い、先端技術を活用して持続的な発展を目指す中小企業者を支援するため、公益財団法人・東京都中小企業振興公社が運営する助成金制度です。
当該事業者が今後の発展に向けた競争力の強化、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進、都市課題の解決に貢献し、国内外で市場の拡大が期待される産業分野でのイノベーションの推進や、後継者による新たな取組みに必要となる機械設備などを新たに導入する際に、必要経費の一部を助成するものです。
この取り組みを通じ、都内の中小企業が自ら稼ぐ力を強化し、新たな事業展開やイノベーションの創出を促し、その結果として「稼ぐ東京」を実現することを目的としています。
参照:東京都中小企業振興公社
事業の概要
応募に必要な資格要件などを含む、事業の概要について解説します。
対象者(申請資格)
令和4年10月1日現在で東京都内に登記簿上の本店または支店があり、都内で2年以上事業を継続している中小企業者が対象です。なお、都外設置の場合は、東京都内に本店があることが要件となります。
助成対象期間
交付決定日の翌月1日から1年6ヶ月で、今回(第4回)募集における助成対象期間は令和5年4月1日~(最長)令和6年9月30日です。
助成率と助成限度額
助成率と助成限度額については下表のとおりです。
事業区分 | 申請者区分 | 助成率 | 助成上限額 | 助成下限額 | |
競争力強化 | 中小企業者 | A | 1/2以内 | 1億円 | 100万円 |
小規模事業者(*) | B | 2/3以内 | 3千万円 | 同上 | |
DX推進 | C | 同上 | 1億円 | 同上 | |
イノベーション | D | 同上 | 同上 | 同上 | |
後継者チャレンジ | E | 同上 | 同上 | 同上 |
(*)小規模企業者:常用従業員数が「製造業・その他」の場合は20人以下、「商業・サービス業」の場合は5人以下です。
助成対象事業
助成の対象となる事業は、下記1~4のいずれかに合致することが求められます。
1 競争力・ゼロエミッション強化
更なる発展に向けて、競争力強化を目指した事業展開に必要となる機械設備を新たに導入する事業
2 DX推進
IoT、AI、ロボットといったデジタル技術の活用により、新しい製品・サービスの構築や、既存ビジネスの変革を目指した事業展開に必要となる機械設備を新たに導入する事業
3 イノベーション
都市が抱える諸課題の解決に貢献し、国内外で市場の拡大が期待される産業分野において新事業活動に取り組むことで、イノベーション創出を図るために必要となる機械設備を新たに導入する事業
4 後継者チャレンジ
事業承継を契機として、後継者による事業多角化や、新たな経営課題の取り組みに必要となる機械設備を新たに導入する事業
助成対象経費
助成の対象となる経費項目は次のとおりです。
機械装置、器具備品、ソフトウェアの新たな導入、搬入・据付等に要する経費
なお、1基50万円(税抜)以上のものに限ります。
*詳細は募集要項をご確認ください。
助成金の申請方法
助成金を申請するためには、事前の予約が必要となります。詳細は下記のとおりです。
申請予約期間
令和4年10月17日(月)~11月10日(木)17時まで
申請書類提出期間
令和4年11月15日(火)~11月24日(木)
※公社が指定する日時に申請書類一式持参する必要があります。
申請スケジュール
令和4年10月17日(月)~11月10日(木)の期間中に公社のホームページ上で申請予約を行い、11月15日(火)~11月24日の期間内に対面による申請受付を実施します。
その後、12月上旬から令和5年3月上旬にかけて、書類による一次審査と面接での二次審査が行われ、令和5年3月上旬に助成対象者が決定される見込みです。申請スケジュールのイメージは、下図のとおりです。
最後に
この支援助成金は、東京都内で事業を展開する中小企業を対象として、継続的に支援されているものです。当該事業者は、内容をよく検討し、自社における事業展開の継続・拡大のため、是非活用していただきたいものです。
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