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省力化投資補助金(一般型)を使える業種は?対象企業と活用例

公開日 2025/06/11
更新日 2025/06/13
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※記事内容は、記事更新日時点の情報です。最新の情報は、必ず省力化投資補助金の公式HPをご確認ください。

令和6年度補正予算で新設された中小企業省力化投資補助金の「一般型」は、オーダーメイドの設備の導入を支援する制度です。

 

​製造業や飲食業、建設業など多様な業種が対象で、現場の課題に即した省力化投資を後押しします。

 

この記事では、中小企業省力化投資補助金の「一般型」が使える業種や条件、具体的な活用例を紹介します。​自社の業種や規模に合った適切な活用方法を知るための、参考にしてください。

中小企業省力化投資補助金の「一般型」とは

中小企業省力化投資補助金(以下、省力化投資補助金)は、業務の省力化や自動化を目的とした設備投資を支援する制度です。

令和6年度補正予算で新設された「一般型」は、オーダーメイドの設備やシステムの導入ができます。

 

​一方、従来の方式を踏襲する「カタログ注文型」は、指定のカタログ製品を選択して導入する方式です。​「一般型」と「カタログ注文型」の主な違いを比較表にまとめました。​

 

一般型

カタログ注文型

上限額

1億円
※従業員数や賃上げの実施有無による

1,500万円
※従業員数や賃上げの実施有無による

対象経費

オーダーメイドの設備やシステムの導入費用 等

製品カタログに掲載された製品の導入費用 等

業種の制限

要件を満たせば制限なし

製品カテゴリに合致する業種のみ

このように、「一般型」は柔軟な設備投資が可能であり、特定の業種に限定されない点が特徴です。​一方、「カタログ注文型」は、簡易で即効性のある省力化投資を可能とする特徴があります。

参照:中小企業庁 中小企業省力化投資補助金(一般型)リーフレット
掲載ページ:中小企業庁 支援策チラシ一覧

 

省力化投資補助金 一般型の概要については、こちらの記事もあわせてご覧ください。

最大1億円!「中小企業省力化投資補助金 一般型」とは
※記事内容は、記事更新日時点の情報です。最新の情報は、必ず省庁や自治体の公式HPをご確認ください。 令和7年から、中小企業省力化投資補助金(以下、省力化投資補助金)に「一般型」が新設され、令和7年4月15日(火)から第2回公募が開始となり...

【一般型】省力化投資補助金の対象業種

省力化投資補助金の一般型は、業種に関する厳格な制限を設けておらず、導入する設備やシステムが省力化に資するものであれば各企業の現場ニーズに即した柔軟な投資が可能です。

一方、カタログ注文型の場合、カタログに記載されている対象業種と​申請者の業種が一致していなければ、申請できません。

 

​そのほか詳細な要件については、公式情報をご確認ください。

参照:独立行政法人中小企業基盤整備機構 中小企業省力化投資補助事業(一般型) 公募要領(第2回公募)
掲載ページ:中小企業省力化投資補助金 公式HP 資料ダウンロード(一般型)

【一般型】省力化投資補助金の対象となる企業規模

省力化投資補助金の「一般型」の補助対象となるかの判断基準のひとつとして、企業規模があります。

対象となる主な企業規模は、「中小企業者」「小規模企業者・小規模事業者」です。この他、特定事業者の一部や特定非営利活動法人、社会福祉法人も対象となります。

中小企業者

省力化投資補助金の一般型の対象となる中小企業者は、企業組合や協業組合をはじめとする組合等に該当しない場合と組合関連の事業者に分類できます。

組合関連でない場合の中小企業者の定義は、中小企業基本法に基づき、業種ごとに資本金または常勤従業員数(応募時の常勤従業員)のいずれかが下表の資本金・常勤従業員数以下であることです。​

 

例えば、製造業では資本金3億円以下または常勤従業員数300人以下、卸売業では資本金1億円以下または常勤従業員数100人以下が該当します。

対応業種

   資本金

常勤従業員数

製造業、建設業、運輸業

3億円

300人

卸売業

1億円

100人

サービス業
(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)

5,000万円

100人

小売業

5,000万円

50人

ゴム製品製造業(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く)

3億円

900人

ソフトウェア業又は情報処理サービス業

3億円

300人

旅館業

5,000万円

200人

その他の業種(上記以外)

3億円

300人

参照:独立行政法人中小企業基盤整備機構 中小企業省力化投資補助事業(一般型) 公募要領(第2回公募)
掲載ページ:中小企業省力化投資補助金 公式HP 資料ダウンロード(一般型)

小規模企業者・事業者

小規模企業者・小規模事業者は、中小企業の中でもさらに規模の小さな会社や個人事業主を指します。

下表は、業種別に小規模企業者・小規模事業の定義となる常勤従業員数をまとめたものです。

対応業種

常勤従業員数

製造業その他

20人以下の会社及び個人事業主

商業・サービス業

5人以下の会社及び個人事業主

サービス業のうち宿泊業・娯楽業

20人以下の会社及び個人事業主

参照:独立行政法人中小企業基盤整備機構 中小企業省力化投資補助事業(一般型) 公募要領(第2回公募)
掲載ページ:中小企業省力化投資補助金 公式HP 資料ダウンロード(一般型)

その他

中小企業者(組合関連以外)、小規模企業者・小規模事業者以外の業種・会社形態の場合は、下表の資本金・従業員数が対象の主な基準となります。

【中小企業者(組合関連)】

対応業種・組織形態

資本金

従業員数

企業組合、協業組合、事業協同組合、商工組合、商工街振興組合、水産加工協業組合等

条件の記載なし

条件の記載なし

生活衛生同業組合等 ※1

5,000万円以下(主な事業が卸売業の場合は1億円以下)

50人以下(主たる事業が卸売業またはサービス業の場合は100人以下)

酒造組合、酒販組合等 ※1

製造業者:3億円以下

販売業者:5,000万円以下(卸売業は1億円以下)

製造業者:300人以下

販売業者:50人以下(卸売業は100人以下)

内航海運組合、内航海運組合連合会 ※1

3億円以下

300人以下

技術研究組合※1

中小企業と同じ

中小企業と同じ

特定非営利活動法人

条件の記載なし

300人以下

社会福祉法人

条件の記載なし

300人以下

【特定事業者の一部】

業種

資本金の額又は出資の総額

常勤従業員数

製造業、建設業、運輸業

10億円未満

500人※2

卸売業

10億円未満

400人※2

サービス業又は小売業(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)

10億円未満

300人※2

生活衛生同業組合等 ※1

10億円未満

300人(卸売業なら400人)

酒造組合等 ※1

10億円未満

製造業者:500人

販売業者:300人(卸売業なら400人)

内航海運組合、内航海運組合連合会 ※1

10億円未満

500人

技術研究組合 ※1

10億円未満

※2と同じ

※1:構成員の3分の2以上が資本金・従業員数の要件を満たす必要がある

製造業や建設業などの一部の業種は、中小企業の定義から外れる資本金額であっても、資本金10億円未満かつ表の従業員数であれば対象となります。

 

参照:独立行政法人中小企業基盤整備機構 中小企業省力化投資補助事業(一般型) 公募要領(第2回公募)
掲載ページ:中小企業省力化投資補助金 公式HP 資料ダウンロード(一般型)

【一般型】省力化投資補助金の注意点

省力化投資補助金の一般型を活用する際には、以下の2点に注意が必要です。

企業規模により補助率が異なる

・企業規模の変更が補助率に影響する

企業規模により補助率が異なる

一般型の補助率は、企業規模と補助金額に応じて異なります。以下の表に、補助金額1,500万円以下および1,500万円超の部分に対する中小企業と小規模企業者・事業者の補助率をまとめました。

補助金額

中小企業の補助率

小規模企業者・事業者の補助率

1,500万円以下の部分

1/2

2/3

1,500万円超の部分

1/3

1/3

※特定非営利活動法人および社会福祉法人は従業員が20人以下の場合、補助率は2/3

このように、1,500万円までは企業規模によって補助率が変わるため、注意しましょう。

企業規模の変更が補助率に影響する

一般型では、補助金交付候補者としての採択後、交付決定までの間に小規模企業者・小規模事業者の定義から外れた場合は、補助率が2/3から1/3~1/2に変更となります。

また、交付決定後における従業員数の変更も同様で、確定検査において労働者名簿等を確認し、補助事業実施期間終了までに定義から外れた場合は補助率2/3から1/3~1/2へ計画変更となります。

 

なお、特定非営利活動法人及び社会福祉法人は、従業員が20人以下の場合、補助率が2/3になります。

 

このような補助率への影響を避けるには、申請から事業完了までの間、常勤従業員数が小規模事業者の定義内に収まるよう、採用計画や人員配置を慎重に管理することが重要です。 

【一般型】省力化投資補助金の業種別活用例

一般型はカタログ注文型と異なり、事業者が自社の業務内容や現場の実情に応じて最適な設備やシステムを自由に選定できます。

ここでは、一般型における活用イメージを紹介します。一般型は以下の例のように、自社の課題解決に向けてオーダーメイドした設備の導入を支援する点が大きな特徴です。

通信販売業

通信販売業を営む事業者が、オンラインショッピングの顧客数・購買量の増加に対応するため、自動梱包機と倉庫管理システムをオーダーメイドで開発・導入

自動車関連部品製造事業

自動車関連の部品製造を行う事業者が、検査の実施が難しい微細な部品製造を効率的に行うため、現場に合わせて最新のデジタルカメラやAI技術を活用した自動外観検査装置を導入

 

参照:中小企業庁 中小企業省力化投資補助金(一般型)資料
掲載ページ:中小企業庁 支援策チラシ一覧

全国:中小企業省力化投資補助金(中小企業等事業再構築促進事業を再編)
2025/04/24追記:複数回の応募・交付申請が可能になりました。また、常勤従業員がいない事業者の応募・交付申請が可能になりました。 ----- 中小企業等のみなさまの売上拡大や生産性向上を後押しするため、IoT・ロボット等の人手不足...

まとめ

中小企業省力化投資補助金の「一般型」では、対象業種に厳格な規定はありません。

ただし、中小企業に該当することが要件のひとつなので、企業規模の規定をしっかり確認することが大切です。

 

助率や上限額は企業の規模や賃上げの取り組みによって異なり、最大で1億円の支援を受けることができます。

 

企業規模で補助率が違う点や、途中で規模が変わると補助率に影響する点に注意し、効果的に活用しましょう。

Stayway / メディア事業部
監修Stayway / メディア事業部
日本国内の補助金の獲得から販路開拓・設備投資を一貫して支援。 中小企業庁認定 経営革新等支援機関

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