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最大50億円!「中堅・中小・スタートアップ企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」の制度概要・4次公募との違いとは

公開日 2023/12/02
更新日 2026/03/02
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※記事内容は、記事更新日時点の情報です。最新の情報は、必ず省庁や自治体の公式HPをご確認ください。

「中堅・中小・スタートアップ企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」(以下、大規模成長投資補助金)は、工場等の拠点新設や、省力化・生産性向上に資する大規模な設備投資を支援する制度です。

中小企業に限らず、中堅企業やスタートアップ企業も活用できる点に加え、建物費も補助対象となること、補助上限額が最大50億円と高額であることなどから注目を集めています。

令和8年2月27日から5次公募が開始し、4次公募から要件や支援内容に変更が加わりました。

そこでこの記事では、「中堅・中小・スタートアップ企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」の制度概要、4次公募からの主な変更点について解説します。

「中堅・中小・スタートアップ企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」とは

出典:令和7年度補正予算PR資料(中小企業・小規模事業者関連予算抜粋)

掲載ページ:中小企業庁 中小企業対策関連予算

 

「中堅・中小・スタートアップ企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」は、地域の雇用を支える中堅・中小企業等が、人手不足などの喫緊の課題に対応しながら成長を図るために行う大規模投資を支援する制度です。

 

本補助金は、こうした投資を促進し、地方における持続的な賃上げの実現を目指します。補助対象期間は、原則で交付決定日から最長で令和10年12月末までです。

 

予算については、新規公募分として基金2,000億円を措置し、100億宣言企業向けに、うち1,000億円程度を確保しています。

 

参照:「中堅・中小・スタートアップ企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」事業概要

掲載ページ:株式会社野村総合研究所 令和7年度補正予算 経済産業省「中堅・中小・スタートアップ企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」5次公募のお知らせ

100億宣言企業とは

「100億宣言企業」とは、中小企業が飛躍的成長を遂げるために、自ら、「売上高100億円」という目標を目指し、実現に向けた取り組みを行っていくことを宣言した企業を指します。

「宣言」には、次の項目を盛り込みます。
①企業概要(足下の売上高、従業員数等)
②売上高100億円実現の目標と課題(売上高成長目標、期間、プロセス等)
③売上高100億円実現に向けた具体的措置(生産体制増強、海外展開、M&A等)
④実施体制
⑤経営者のコミットメント(経営者自らのメッセージ)

また、宣言した企業の取り組みを「見える化」し、より一層の機運醸成を図るため、事務局が運営するポータルサイトに当該宣言を掲載します。

 

宣言の掲載を申請できるのは、売上高10億円以上100億円未満の中小企業です。

 

なお、企業グループとして申請する場合においては、企業グループ全体の売上高の合計が10億円以上100億円未満であるものとします。

 

参照:100億企業成長ポータル

 

なお、「100億宣言」の詳細については、こちらの記事で詳しく解説しております。あわせてご一読ください。

「100億宣言」とは?実施のメリットや申請の流れを徹底解説
※記事内容は、記事更新日時点の情報です。最新の情報は、必ず公式HPをご確認ください。 100億宣言とは、中小企業が売上高100億円の達成を目標に掲げ、その実現に向けた取り組みを宣言する制度です。 この宣言を実施することで、中堅等大規...

「中堅・中小・スタートアップ企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」申請類型

本補助金では、5次公募以降、100億宣言企業向けの申請類型を新たに設け、次の2つの類型で申請を受け付けます。

どちらの類型で申請するかは、申請様式1および2に必ず記載してください。

 

一般企業向け:100億宣言企業”以外”の事業者が申請可能です。

100億宣言企業向け:100億宣言企業の事業者が申請可能です。

「中堅・中小・スタートアップ企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」補助対象者

補助対象者は、中堅・中小・スタートアップ企業です。常時使用する従業員数が2,000人以下の会社等を対象としています。

本補助金における「スタートアップ企業」とは、次の項目を満たす企業を指します。

 

①設立20年以内

②公募開始日時点でベンチャーキャピタルやシードアクセラレータ、その他業としてスタートアップへの投資昨日を有する金融機関等の法人やコーポレートベンチャーキャピタルが株主に加わっている者

 

なお、みなし大企業は補助対象外となります。

「中堅・中小・スタートアップ企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」補助対象要件

①投資額20億円以上(専門家経費・外注費を除く補助対象経費分)
 ※100億宣言企業は投資額15億円以上

②賃上げ要件(補助事業の終了後3年間の対象事業に関わる従業員等1人当たり給与支給総額の年平均上昇率が5.0%以上(100億宣言企業の場合は4.5%以上))

 ※補助金の申請時に掲げた賃上げ目標を達成できなかった場合は、未達成率に応じて補助金の返還が必要となります。

「中堅・中小・スタートアップ企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」補助対象となる取り組み

補助対象となる取り組みの主な例として、以下の3例が挙げられます。

・工場や倉庫、販売拠点などの新設や増設
・最先端の機械や省力化できる設備の導入
・ソフトウェアの購入や情報システムの構築

「中堅・中小・スタートアップ企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」補助対象経費

対象となる経費は、工場等の拠点新設や大規模な設備投資に係る費用です。具体的には、以下の費目が対象となります。

費目

詳細
建物費
(拠点新設・増築等)
専ら補助事業のために使用される事務所、生産施設、加工施設、 販売施設、検査施設、共同作業場、倉庫その他事業計画の実施に不可欠と認められる建物の建設、増築、改修、中古建物の取得に要する経費(単価100万円(税抜き)以上のものに限る)
機械装置費
(器具・備品費含む)

①専ら補助事業のために使用される機械装置、工具・器具(測 定工具・検査工具等)の購入、製作、借用に要する経費 (単価100万円(税抜き)以上のものに限る)
② ①と一体で行う、改良・修繕、据付け又は運搬に要する経費

ソフトウェア費

①専ら補助事業のために使用される専用ソフトウェア・情報システム等の購入・構築、借用、クラウドサービス利用に要する経費 (単価100万円(税抜き)以上のものに限る)
②①と一体で行う、改良・修繕に要する経費

外注費 補助事業遂行のために必要な加工や設計、検査等の一部を外注 (請負・委託)する場合の経費
専門家経費 補助事業遂行のために依頼した専門家に支払われる経費

※建物費は生産設備等の導入に必要なものに限ります。なお、土地代は対象外です。

機械装置やソフトウェアに限り、リースやレンタルについて、交付決定後に契約したことが確認できるもので、事業期間中に要する経費については対象とすることが可能です。

 

契約期間が事業実施期間を超える場合は、按分等により算出された事業実施期間分の経費が
対象となります。


また、ファイナンス・リース取引に限り、補助事業者がリース会社に支払うリース料から補助金相当分が減額されることなどを条件として、リース会社と共同申請をする場合には、機械装置やソフトウェアの購入費用について、リース会社を対象に補助金を交付することが可能です。

 

この場合、リース会社に対しては投資額・賃上げ要件等の適用は求めません。

「中堅・中小・スタートアップ企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」補助率・補助上限額

補助率と補助上限額および投資下限額は、次のとおりです。

補助率:1/3以内
補助上限額:50億円
投資下限額:20億円(100億宣言企業の場合は、15億円)

「中堅・中小・スタートアップ企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」4次公募からの主な変更点

ここでは、前回4次公募からの主な変更点について解説します。

事務局の変更

補助金の公募や審査、採択、交付決定に関する業務を担う事務局が変更となりました。具体的な変更内容は次のとおりです。

1次~4次公募:TOPPAN株式会社
5次公募以降:株式会社野村総合研究所(NRI)

これに伴い、公募サイトや申請システム、問い合わせ窓口、申請書のフォーマットも見直されています。申請の際はご注意ください。

投資下限額の引き上げ

補助対象要件における投資下限額が、これまでの10億円から引き上げられました。

5次公募の投資下限額:20億円以上(100億宣言企業は15億円以上)

100億宣言企業向け類型の新設

5次公募以降、新たに「100億宣言企業向け」の申請類型を設けました。

賃上げ要件の内容を変更

5次公募では、賃上げ要件の内容を変更しました。

具体的には、4次公募では、補助事業終了後3年間における「補助事業に関わる従業員および役員」の1人当たり給与支給総額について、年平均上昇率4.5%以上とすることを求めていました。

一方、5次公募以降は対象を「補助事業に関わる従業員」のみに変更するとともに、求められる年平均上昇率を申請類型ごとに見直しました。

一般企業向け:5.0%以上

100億宣言企業向け:4.5%以上

なお、コンソーシアム形式で申請する場合は、すべての参加者がそれぞれ基準率以上の目標を掲げ、従業員への表明のうえ達成する必要があります。

参照:「中堅・中小・スタートアップ企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」事業概要

掲載ページ:株式会社野村総合研究所 令和7年度補正予算 経済産業省「中堅・中小・スタートアップ企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」5次公募のお知らせ

審査の観点を変更・追加

審査は以下の項目を定量的・定性的に審査し、採択事業者を決定しますが、各項目の基準を一部見直しました。

①経営力

②先進性・成長性

③地域への波及効果

④大規模投資・費用対効果

⑤実現可能性

 

また、次の要件を満たす場合、加点措置を講じます。

 

①中小企業から中堅企業への移行に対する加点措置

産業競争力強化法上の中小企業に該当する事業者においては、「令和9年12月末までに産業競争力強化法上の中小企業者の定義を超える従業員数及び資本金の達成」する旨を「中小企業から中堅企業への移行に関する宣誓書(様式7)」に記載し、宣言した場合に加点します。

 

②J-StartupまたはJ-Startup地域版選定スタートアップに対する加点措置

J-StartupまたはJ-Startup地域版選定スタートアップに選定されている中小企業者等に対して加点

 

③本社機能の地方移転を伴う大規模投資を行う事業に対する加点措置

従業員のウェルビーイングや地域活性化の観点等も踏まえ、企業の本社機能の移転を伴う大規模な投資を行う事業に対して加点

 

④既存の工場跡地を活用した大規模投資を行う事業に対する加点措置

産業用地が不足している現状を踏まえ、土壌汚染対策を行いながら、既存の工場跡地を活用する形で大規模な投資を行う事業に対して加点

 

⑤「えるぼし認定企業」「くるみん認定企業」に対する加点措置

雇用管理の改善、働きやすい職場環境の整備、企業の魅力向上や人材確保・定着などに積極的に取り組んでいる企業に対して加点

 

⑥「健康経営優良法人」に対する加点措置

優良な健康経営を実践している企業に対して加点

 

⑦「地域未来牽引企業」「パートナーシップ構築宣言登録企業」「地域未来牽引事業計画」に対する加点措置

地域の事業者等に対する経済的波及効果を及ぼすことにより地域の経済成長を力強く牽引する事業者、または、サプライチェーンの取引先や価値創造を図る事業者との連携・共存共栄を進める事業者に対して加点

 

⑧「金融機関・ファンド等による確認書」を提出した場合の加点措置

金融機関から計画の妥当性の確認を受けている事業者に対して加点

 

⑨「地域企業経営人材マッチング促進事業活用企業」に対する加点措置

「地域企業経営人材マッチング促進事業」を活用し採用した人材を事業実施体制に含めている企業に対して加点

 

⑩「危機管理投資」、「成長投資」の戦略分野に係る事業に対する加点措置

以下の17の戦略分野に係る事業に対して加点

①AI・半導体、②造船、③量子、④合成生物学・バイオ、⑤航空・宇宙、⑥デジタル・サイバーセキュリティ、⑦コンテンツ、⑧フードテック、⑨資源・エネルギー安全保障・GX、 ⑩防災・国土強靭化、⑪創薬・先端医療、⑫フュージョンエネルギー、⑬マテリアル(重要鉱物・部素材)、⑭港湾ロジスティクス、⑮防衛産業、⑯情報通信、⑰海洋

 

上記のほか、

○ 各都道府県の中で特に優れた事業計画を提出した事業者は、地域への波及効果等が特に期待できるものとして加点します。

○ 大規模な災害(いわゆる本激)であって、被害が大きく、多重災害や立地条件等に起因し発災後一定期間を経過してもなお被害が残る 地域の事業については特別に配慮措置を講じます。

 

参照:中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金 公式HP

「中堅・中小・スタートアップ企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」採択結果

<1次公募>
〇有効申請件数:736件
〇1次審査(書面) 採択数:254件
〇2次審査(プレゼンテーション) 採択数:109件
〇採択率:約14.8%

<2次公募>

〇有効申請件数:605件

〇1次審査(書面) 採択数:218件

〇2次審査(プレゼンテーション) 採択数:85件(内、追加採択30件※)

〇採択率:約14.0%

※追加採択:2次公募のプレゼンテーション(二次)審査において通過とならなかった事業者の中から、令和6年度分の補助金交付申請分のみを対象とした追加採択を実施し、最終的に、30件が追加採択されました。

<3次公募>

〇有効申請件数:229件
〇1次審査(書面) 採択数:177件
〇2次審査(プレゼンテーション) 採択数:116件
〇採択率:約50.7%

<4次公募>

〇有効申請件数:210件 〇1次審査(書面) 採択数:140件 〇2次審査(プレゼンテーション) 採択数:102件 〇採択率:約48.6%

参照:大規模成長投資補助金 公式HP 採択結果

「中堅・中小・スタートアップ企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」5次公募スケジュール

本補助金の5次公募スケジュールは、次のとおりです。

公募開始:令和8年2月27日(金)

公募締切:令和8年3月27日(金)予定

プレゼンテーション審査:令和8年4月20日(月)~4月24日(金)

採択発表:令和8年5月中旬ごろ

公募締め切りの5営業日前までに提出された申請書類については、書類の不備等を事務局が事前に確認します。

その際、万が一、不備が発覚した場合は、公募期間内での再提出が可能ですので、早めに申請しましょう。

事務局への申請等は全て電子申請となり、申請には「GビスIDプライムアカウント」が必要です。GビズIDプライムアカウントの作成には、申請から期間を要しますのでご留意ください。

申請のあった事業計画に基づき1次審査を行い、通過した申請者には、2次審査として経営支援等を行う外部有識者によるプレゼン審査(対話形式)を実施します。

【Stayway】「中堅・中小・スタートアップ企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」無料相談について

当社 ㈱Staywayでは、大規模成長投資補助金の計画策定から補助金受領までをご支援させていただいております。

本補助金の1次~4次公募における当社採択率は57.4%となっており、全国平均採択率を23.1%を大きく上回る実績となりました。

 

申請を予定している方、申請を検討している事業者様は、ぜひ、以下のページより無料相談をお申込みください!(「中堅企業支援ポータル」にて受け付けております)

中堅企業支援ポータルpowered by 補助金クラウド - 補助金/税制/M&A
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まとめ

この記事では、「中堅・中小・スタートアップ企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」の制度概要と、4次公募からの主な変更点について解説しました。

5次公募の公募期間は1か月と短いため、申請を検討する場合は早めの準備が重要です。要件や提出書類を十分に確認し、余裕を持って申請を進めましょう。

https://biz.stayway.jp/hojyo_detail/29890

監修佐藤淳 / 公認会計士
中小企業庁認定 経営革新等支援機関 有限責任監査法人トーマツ(Deloitte Touche Tohmatsu)の東京オフィスに6年間、シアトルオフィスに2年間勤務。 2015年よりアジア最大級の独立系コンサルティングファームの日本オフィスにて事業戦略の構築支援、M&Aアドバイザリー、自己勘定投資の業務に従事。 2017年 自身で旅行スタートアップ(Stayway)を立ち上げ資金調達をした経験を生かしながら、補助金・ファイナンス・M&Aのサポートを実施

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