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大阪府では、令和6年6月3日から「新事業展開テイクオフ補助金」の公募が始まります。本補助事業は、大阪府の事業者が取り組む新規事業を応援するものです。
令和5年にも実施され、応募多数となった注目の補助金です。そこでこの記事では、新事業展開テイクオフ補助金について解説します。
新事業展開テイクオフ補助金 事業概要
本補助金は、原油・物価高騰や円安、人手不足等の影響により、経営が圧迫され厳しい状況に置かれている事業者が、新事業展開を早期に実現させ成長することを目的に支援するものです。
厳しい経営状況を打開するため実施する、新しい事業分野への進出、業種・業態の転換、新製品・新サービスの開発・販売提供、製造コスト抑制等のための省力化・内製化などをサポートします。
新事業展開テイクオフ補助金 取り組み内容
本補助金は、早期の収益化促進をはじめ一歩を踏み出すためのきっかけを提供する目的で交付するものです。申請にあたり大阪府が指定するセミナーを1回以上受講する必要があります。
セミナーは複数種類あり、いずれかひとつを受講してください。アーカイブ動画配信のみの実施となります。
その後、セミナー受講者へメールで「新事業展開テイクオフ補助金」専用の電子システムのURLが送られるので、手元に届き次第、電子システムで申請書を提出してください。
原則、郵送・持参による申請は受け付けません。専門家による書類審査を経て補助金の採択事業者を決定し、メールまたは書面の郵送にて通知します。
補助対象事業
補助対象事業は、大きく2つあります。
① 既存事業とは異なる事業分野・業種への進出
② 新たな取組みによる事業の改善
具体的には、以下のような事例が想定されます。
事業例:
1、企業向けの食品製造業から、ECサイト構築による、一般消費者向け販売への進出2、運輸業から、アウトドア商品開発製造業への進出。運送業務や、製品の保管・検品業務のノウハウを活用
3、新規事業の実施に向け、新たな労働力(女性・シニア・外国人材・副業人材等)の確保や、既存事業の業務効率化を図るためのオフィスの受付無人化等の取組み
いずれも既存事業とは異なる事業分野・業種への進出や新たな取組みを行っている事例です。ただし、これまでの事業再構築補助金の一部申請類型のような売上減少要件はありません。
補助対象者
大阪府内に本店(住所)または主たる事業所を有する中小事業者を対象としており、採択数は300者程度を予定しています。
※ただし、次のいずれかに該当する中小企業者は対象外となります。
・発行済株式の総数又は出資金額の総額の2分の1以上を同一の大企業が所有している中小企業者
・発行済株式の総数又は出資金額の総額の3分の2以上を大企業が所有している中小企業者
・大企業の役員又は職員を兼ねている者が、役員総数の2分の1以上を占めている中小企業者
補助率・補助額
補助率:補助対象となる経費総額の3/4以内
補助上限額:100万円
対象経費
上図のとおり、機械装置・システム構築費や開発費など、新事業展開に要する以下の経費が対象となります。ただし、消費税及び地方消費税を除きます。
また、人材不足解消(人材採用、環境改善、生産性向上)の取組みに係る経費も対象となります。
機械装置・システム構築費に該当する設備の借用費用やクラウドサービスの利用料は、補助事業実施期間に要した経費に限り対象となります。
なお、自動車等車両の購入費は、新事業展開のためにのみ使用されると認められるもののみ補助対象とみなされます。
新事業展開テイクオフ補助金 採択事例
ここからは、過去公募における主な採択事例を紹介します。
事例 1:衣類製造販売(企画・開発)A社
既存事業:女性特有のお困りごとに対応した作業服、ユニフォームの企画・販売
新規事業:創業時からの“女性が働く喜びを輝かせたい”との思いをベースにした、生理の悩みを解決するオーバーショーツの開発
既存事業で企画・販売している作業服ではなく、生理中の悩みを解決するオーバーショーツの開発を新規実施した例です。なお、本商品はメーカーやサプライヤー等の企業向けに販売するものです。
事例 2:装置製造 B社
既存事業:鮮度保持装置製造業(ファブレス)
新規事業:急速冷凍装置製造業(ファブレス)
新たに急速冷凍装置の製造を展開した事例です。テイクオフ補助金の活用を視野に入れた広告宣伝方法の策定等を実施しています。
事例 3:飲食店 C社
既存事業:焼き鳥屋
新規事業:バインミーの製造・販売
コロナ禍で打撃を受けた焼き鳥屋から、ベトナムのサンドイッチであるバインミーの製造・販売事業を展開した事例です。本補助金を活用した店頭での画像入りデジタル看板やメニューで、商品の訴求を行います。
事例 4:卸売業・小売業(移動販売) D社
既存事業:移動販売業
新規事業:冷凍食品製造業
本業の移動販売業に加えて、新たに企業を対象とした冷凍食品製造業を開始した例です。
さらに一般消費者向けの販売を目指して、自社ECサイトを構築して販路拡大を図りつつ、地元近隣の飲食店の商品を冷凍食品化し、ラインナップするなど地場産業の活性化も図ります。
新事業展開テイクオフ補助金 採択状況
本補助金の公募は令和4年度10月から11月、令和5年度5月から6月の期間にも実施されました。各回の採択状況は、以下のとおりです。
|
申請数 |
採択数 |
採択率 |
令和4年度 10月~11月公募 |
約250 ~ 約300者 |
約100者 |
約33.3% ~ 約40.0% |
令和5年度 5月~6月公募 |
約700者 |
約300者 |
約42.9% |
※上記、事務局への問合せの結果、概数を回答いただいたものです。ただし、正確な各値は把握していない、かつ、非公開とのことです。なお、令和4年度の申請数は約500者との情報もあるため、あくまで参考としてください。
※新事業展開テイクオフ補助金 スケジュール
以下、本公募のスケジュール(予定)です。
公募期間:令和6年6月3日(月曜日)から6月28日(金曜日)17時まで
事業実施期間:令和6年8月上旬(交付決定日)から補助事業完了日又は令和7年1月31日(金曜日)のいずれか早い日まで
まとめ
今回は大阪府が実施する「令和6年度 新事業展開テイクオフ補助金」について解説しました。
大阪府内の中小企業が新事業を展開する際のサポートを目的とした補助金です。現在、新事業展開を検討している場合はぜひご活用ください。
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