オンラインレンディングとは?概要と市場動向、主なサービス事業者は

オンラインレンディングという資金調達方法が注目されています。これはオンライン融資とも呼ばれ、FinTech(フィンテック)(*)の技術革新と並行して注目を集めつつある、新たな資金調達方法です。

オンラインレンディングについて詳しく解説します。

(*)金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、金融サービスと情報技術との融合による革新的な動きを指します。身近な例では、スマートフォンなどを使った送金も事例の一つです。

オンラインレンディングとは

中小企業や個人事業主、起業家にとって、事業を円滑に運営するためには、資金調達・確保が非常に重要なポイントであり、また、会社を長期にわたって経営する上では常に大きな課題でもあります。

資金調達の方法としては、一般的には金融機関からの融資や、投資家からの出資、また公的制度を利用した各種補助金・助成金の活用などがありますが、それ以外にも様々な資金調達方法について常日頃研究する態度が求められます。

オンラインレンディング(オンライン融資)とは、会計データなどに基づき、人工知能(AI)が与信モデルを作り、オンライン上で全ての手続きを完結させる融資サービスで、従来の銀行融資などと比較すると、スピーディーに資金を調達できる点が特徴となっています。

注目される理由と市場動向

オンラインレンディングが注目を集める理由と、最新の市場動向について解説します。

オンラインレンディングが注目を集める理由

新たな資金調達方法として、大きな魅力と可能性を秘めたオンラインレンディングですが、注目を集める大きな理由のひとつとして、FinTechの発展と、これまで大手銀行をはじめとする民間金融機関が対応してこなかった、中小企業や個人事業主向けの確実な借入れニーズが挙げられます。

銀行や日本政策金融公庫などの金融機関から資金調達をするには、融資審査のために多大な準備が必要となり、また融資実行までにはかなりの労力と時間が必要です。このため、突発的に小額の資金が必要となった場合や、小規模ビジネスには不向きでした。

煩雑な手続きと時間を要する融資の審査を簡素化し、スピーディに借入れをしたいという、中小企業や個人事業主のニーズに応える形で発展しつつあるのがオンラインレンディングです。

オンラインレンディングの市場特性

オンラインレンディングは、すでに中国や米国では一定の市場規模を形成しており、今後一層の発展が見込まれています。日本国内でも市場規模は同様に拡大傾向で、後述のとおり、多くの事業者がサービスを提供しています。オンラインレンディングの市場規模は年々拡大しており、既存サービスの利用者数も増大しています。

中小企業庁主催の「スマートSME(中小企業)研究会」で報告された事例(*)から、市場の特性や規模を分析します。

(*)令和元年:スマート SME(中小企業)研究会(第3回・令和元年5月23日) 議事要旨より。

参照:中小企業庁(スマートSME(中小企業)研究会)

この報告によれば、オンラインレンディングは2018年12月にスタートして以来順調に利用者数を拡大させており、その内訳はアーリーステージの企業が全体の3割程度と多数を占めています。利用企業における代表者の年齢は20代・30代よりも、40・50代が中心で、全国に分布しています。

利用者の属性は、売上高1億円以下の企業が大半で、金利は審査結果によって変動するものの、3~15%と幅広い状況です。

オンラインレンディングのメリット・デメリット

オンラインレンディングのメリット・デメリットについて解説します。

メリット

審査から融資実行まで短期間

オンラインレンディング最大のメリットは、申込みから融資実行までが非常に速い点です。銀行や日本政策金融公庫、各自治体が提供する融資制度に申込んだ場合は、審査に必要な多くの資料を準備し、融資実行までに通常数ケ月を要します。

これに対してオンラインレンディングは、日々蓄積された会計データなどに基づき、融資可能かどうかが短期間で判断されるため、最短では翌日に振り込まれる場合すらあります。

保証人や担保が不要

保証人や担保が不要な場合が多いこともメリットの一つです。借入れ実績がない中小企業や個人事業主は、返済能力や信用力に対する評価が難しいため、保証人や担保を求められる場合が多い実情があります。

オンラインレンディングの場合は、会計データなど日々の取引を元にAIが判断し、保証人や担保よりも優先させるため、中小企業や個人事業主にとっては資金調達の幅が広がり、金融機関にとっても審査の手間が省けます。

デメリット

金利が高い

利便性の高いオンラインレンディングですが、デメリットもあります。融資実行までのスピードが高い反面、金利が高めに設定されている点です。

金利は借入れ金額や審査結果によっても変動しますが、システム的に、どの金融機関から、いくらで、どの程度の金利で借りられるかが一覧で表示され、判断されます。

主なサービス提供会社と内容

現在国内でオンラインレンディングを提供している主な事業者を取り上げます。

みずほ銀行:みずほスマートビジネスローン

みずほ銀行がクレジットエンジン株式会社と連携し、提供しています。
利用者のデータやAI技術を活用した与信モデルで、申込みから融資実行までオンラインで完結し、最短2営業日で融資実行が可能となっています。

freee finance lab (フリーファイナンスラボ):資金繰り改善ナビ

会計ソフトfreeeの100%出資子会社であるfreee finance lab (フリーファイナンスラボ)が提供しています。
会計freeeのデータに基づき、これまでの資金推移と将来予測を自動表示し、利用可能な資金調達手段を提案します。

三菱UFJ銀行:BizSTATION

三菱UFJ銀行が提供する法人向けポータルサイトです。
決算書などの財務データではなく、入出金データなどに基づいて与信判断を行い、最短2営業日で融資が完了します。

LENDY(レンディ):LENDY

2016年設立のスタートアップ企業であるLENDY株式会社が提供しています。
業務系オンラインサービスをLENDYアカウントに登録し、事業の状況に関するデータを提供します。

りそな銀行:「Speed on!」(スピードオン)

りそな銀行が同行の口座を利用している法人向けに展開しています。
融資限度額は100万円以上1,000万円以下と、比較的大型です。

J.Score(ジェイスコア):AIスコア・レンディング

みずほ銀行とソフトバンクにより設立されたJ.Scoreが展開しています。
安定収入がある事業者であれば、法人・個人を問わず、学生・留学生で、アルバイトや外国人でも申込みが可能です。

MoneyFoward BizAccel

マネーフォワードの子会社である、マネーフォワードファインが提供しています。
同社の会計ソフト「マネーフォワード クラウド会計/確定申告」を利用している法人または個人事業主が対象となります。

アルトア

弥生会計のグループ会社であるアルトアが展開しています。
「やよいの青色申告」または「弥生会計」(いずれもデスクトップアプリ)版を利用している法人または個人事業主が対象です。

Amazon レンディング

アマゾンアマゾン・キャピタル・サービス合同会社が、Amazonのマーケットプレイスに参加している法人向けに提供しています。
融資額は10万円~5,000万円と幅広いです。

最後に

オンラインレンディングを活用することで、「いざ」という時に、短期間で小額の資金調達が可能となります。その一方、利用するには一定期間以上の業歴やデータの蓄積が必要となるため、自社の事業が融資条件を満たしているかどうかについて確認が必要です。

コロナ禍の影響もあり、資金調達に悩む事業者にとって、選択肢を拡げる意味でも検討してみる価値はあるでしょう。