新型コロナウィルスの第七波感染もどうやらピークを過ぎ、一段落の感があります。
一方、秋の行楽シーズンを過ぎ、冬に向かっていくと、企業や家庭では寒さのため室内の換気が不十分となる懸念があります。
こうした状況に対する改善支援策として、令和4年の第二回「中小規模事業所向け省エネ型換気・空調設備導入支援事業」の公募が開始されています。
この支援策について詳しく解説します。
事業の目的
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、特に冬季に向かって一層の換気対策が求められており、これに伴う空調の効率低下によるエネルギー消費量の増加が見込まれます。
東京都では、中小企業者が高効率な換気設備と空調設備の導入を行った際、こうした対応に伴う経費の一部を補助することを目的とし、この事業を令和3年度から実施しています。
今回、令和4年度における第二回の申請受付を行うものです。
参照:(公財)東京都環境公社
事業の概要
本事業の概要について、主な項目ごとに解説します。
事業規模(予算)
令和3年度 当初予算額:49.6億円
令和3年度 補正予算額:14.9億円
対象者
本事業の助成対象者は次のとおりです。
- 中小企業者等
- 上記と共同で事業を実施するリース事業者またはESCO事業者
対象設備
本事業の助成対象となる設備は次に挙げるとおりです。
換気設備(更新・増設・新設を対象)
高効率換気設備、熱交換型換気設備等
1.高効率換気設備
比消費電力が0.4W/(m3/h)以下であること
2.熱交換型換気設備
・JIS B 8628に規定されるものであること
・熱交換率が40%以上であること
3.換気・空調一体型設備
高効率空調設備の要件を満たす設備であること
空調設備(更新のみ対象)注:換気設備と同時に導入する場合に対象
1.電気式パッケージ形空調機
次のa又はbのいずれかの条件を満たす設備であること
a.導入推奨機器指定要綱の指定基準(*)を満たすもの
b.クレジット算定ガイドライン(*)の認定基準を満たすもの
(*)詳細については、上記参照URLを確認ください。
2.ガスヒートポンプ式空調機
3.中央熱源式空調機
クレジット算定ガイドラインの認定基準を満たす設備であること
4.ルームエアコン
統一省エネルギーラベル4つ星以上の設備であること
助成比率・上限額
助成対象経費の2/3(補助上限額1,000万円)
助成対象経費
対象となる経費は次の項目です。
- 設計費
- 設備費
- 工事費
- 処分費
助成対象事業の主な要件
本事業の対象となる事業の主な要件は次のとおりです。
- 都内で所有、または使用する中小規模事業所における導入であること
- 助成対象設備を導入する事業所について、地球温暖化対策報告書を提出すること(工事完了時及び工事完了の翌年度から3年間)
- 換気設備の導入により、事業所における必要換気量が確保されること
なお、令和4年3月1日から同年4月18日までに契約・発注した経費で、本事業の要件を全て満たすものについては助成対象となります。
※提出期限:令和4年12月28日
申請スケジュール
今回(第二回)の交付申請スケジュールは以下のとおりです。
受付期間
令和4年9月21日から令和5年2月28日まで
申請期間
- オンラインによる申請:令和4年9月21日から令和5年2月28日17時までに申請完了
- 郵送:令和4年9月21日から令和5年2月28日17時までに必着
問い合わせ先
事業支援チーム中小規模事業所向け省エネ型換気・空調設備導入支援事業 ヘルプデスク
- 電話:03-5990-5089
- FAX:03-6279-4697
- email:cnt-jigyoshien@tokyokankyo.jp
気になる採択状況は?
気になる採択状況について、令和4年第一回の概況を事務局にヒアリングしました。
第一回の申請は既に締め切られていますが、合計で200件以上の申し込みがあり、順次審査中で、書類の不備などがなければ基本的には採択されるとのことです。
補助金と異なり、助成金の性格上、丁寧に書類を作成し、申請に不備等がなければ、採択される可能性は高いとみられます。
ただし、第二回で応募が仮に殺到し、予算枠を超える状況となれば、途中で「申請打ち切り」の可能性もあるとのことです。
このため、早めの申請手続きを行うことがポイントとなります。
最後に
令和4年第二回「中小規模事業所向け省エネ型換気・空調設備導入支援事業」の公募について詳しく解説しました。
高効率な換気設備と空調設備の導入を計画している中小企業にとっては、自社の環境整備を進める上でも非常に役立つ支援制度として注目されます。
是非、この制度を活用し、来るべき冬に備えていただきたいものです。
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