【最新版】事業再構築補助金:卸売業、小売業の主要分野別受給事例は

公開日 2021/08/25
更新日 2022/11/19
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新型コロナウイルス感染拡大に伴い、多くの中小企業が経営環境を悪化させています。
こうした状況下、中小企業などに対する経営支援を主な目的として、事業再構築補助金が制定されています。
この記事では、卸売業、小売業における具体的な受給事例について、5つの主要カテゴリ毎に取り上げます。

カテゴリ1:IT・EC・AIなど

IT・EC・AIなどの新規テクノロジーを活用する分野です。

お茶の井ケ田株式会社(宮城県:通常枠)

資本金:20百万円 

デジタルAIにより非対面と最適化を進め生産性を高めた店舗開発

AI分析による来店予測に基づいた商品と人員の最適配置、セルフレジやサイネージを活用した接客の非対面化、顧客管理と事前決済のアプリ化と、厚生労働省の換気新基準に基づいた換気設備による安心安全な店舗開発を実施。

株式会社エクススタッフ(東京都:緊急事態宣言特別枠)

資本金:10百万円 

支店のIT拠点化と感染症対策商品のECサイト構築事業

対面営業から脱却しECサイトでの販売を行う。名古屋支店を撤去し、ECサイト上での商品管理を担う部門を新たに設立、4名のIT人材を配置しETサイトの運営・管理体制を確立する。

シスコン株式会社(北海道:緊急事態宣言特別枠)

資本金:10百万円 

卸が新技術で遠隔監視装置製造~工大・地域企業と挑む社会課題解決

通信工事から学び蓄えられた無線通信技術で実証実験を重ねてきた画期的な省電力で長距離無線通信が可能な監視システムを商品化し事業化を図り、新分野である酪農・畑作作業の軽減化を地域企業と連携し実現する。

宮吉硝子株式会社(愛知県:通常枠)

資本金:90百万円 年商:77.5億円(2021年3月度)

AI+OCR技術を用いた自動積算システムの開発と利用者への利用料課金

建築図面から人の手を介して積算作業を行っている全国同業者をターゲットとして、自社・業界ともに初となる自動積算システムを自社とFTS社と共同開発し、システム利用者から、人件費よりも低価格であり、利用量に応じた課金を行う事業に挑戦する。

カテゴリ2:医療・バイオ・未来

医療やバイオ、未来系の事業分野です。

合同会社WORLD STANDARD(愛知県:緊急事態宣言特別枠)

資本金:非公開

愛知の医療・福祉業界に特化した有料職業紹介事業への挑戦

同社は医療・福祉業界に対する知見があり、業界との繋がりも強いため、有料職業紹介施設の新設・ウェブサイト構築の新事業に着手し、新たな価値提供と安定した売上構築を可能とし事業の再構築を図る。

バイオジェニック株式会社(東京都:緊急事態宣言特別枠)

資本金:60百万円 

健康食品・化粧品原料の効率的な国内生産実現による業態転換

国内初となるアスタキサンチン原料の自社培養への転換と、国内初の培養藻から採取されたイデユコゴメ藻商品の実用化へと進出し、国内への健康・美容原料の安定的な供給に貢献するとともに、当社の業態転換・売上拡大を実現する。

日本メディカル株式会社(香川県:通常枠)

資本金:10百万円 

地域医療介護連携システム等クラウドサービス事業の創出

地域包括ケアのための医療と介護の情報連携に向け、当社固有の介護記録システムを活用した新しい「地域医療介護連携システム」および「CareWorkers+」のクラウドサービスを創出する。

Jstyle合同会社(秋田県:通常枠)

資本金:非公開

「農業」×「先端技術」=「スマート農業」を使って地域農業活性化

限りある耕作面積、人口増加により高まる食糧自給、減少する農業人口を踏まえ、施肥管理のプロフェッショナルを擁し、資材を卸価格で投入し(コスト削減)、ドローン・無人ヘリコプターで農薬散布・施肥作業(省力化)に加えそのデータを次代に活用する、農業者の勘と経験に頼った方法から新しい農業スタイルを確立し、人手不足を解消し地域農業を活性化させる。

カテゴリ3:地域再生

地域再生を目指すプロジェクトです。

有限会社鈴木住宅設備(愛媛県:緊急事態宣言特別枠)

資本金:非公開

街の小売店が目指すこれからのニューノーマル ~地域の為のECサイト・親しみやすいお店に~

ガス小売店が持っている強みを活用し、家電製品の取り扱いを開始することにより地域のニーズに応えるため決済機能を有するECサイトを構築する。それと同時に店舗を改装し、お客様に来店していただきやすい環境を整備する。

株式会社むとう屋(宮城県:通常枠)

資本金:非公開

『酒粕シェイク』で二十歳未満も楽しめる新たな市場を開拓

仙台駅1階に「宮城の地酒」中心の酒屋を出店し、業態転換の核心となる有料試飲コーナーを設置。『地酒』の有料試飲と酒粕のリサイクルを視野にいれた『酒粕シェイク』を製品化・販売。二十歳未満も楽しめる新たな市場を開拓する。

アケミ屋(山口県:緊急事態宣言特別枠)

資本金:非公開

空き店舗を活用した異業種による複合店舗で顧客を呼び込み地域を元気にする事業

光市室積地区では特に空き店舗が増えているため、街を再生させる取組みの一環として同じ志を持つ異業種グループが複合店舗を作り、人を呼び込み地域を元気にさせる事業を推進する。空き店舗、空き家の有効活用にもつながり、コロナ禍を乗り越える。

PLEH.チニアシツケル(京都府:緊急事態宣言特別枠)

資本金:非公開

若手作家支援と地域経済発展に向けたカフェ併設ギャラリーの開設

既存ギャラリー内に広さに余裕をもたせたカフェスペースを併設し、コロナ感染対策を講じたリラックスできる極上の場所を提供する。同時に、若手作家や開業を目指す若者の支援となるレンタルスペース業を営む。

カテゴリ4:コロナ対策

コロナ対策に取り組む事例です。

株式会社あかりみらい(北海道:緊急事態宣言特別枠)

資本金:10百万円 年商:9億9千800万(30年3月)

コロナバスターズ事業

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために除菌、消毒の最新機器と大学、公的機関のエビデンスを基にした除菌業を開始し、独自のノウハウと信用を全国展開しフランチャイズチェーン化を目指す。

ふれあい補聴器柳川店(福岡県:緊急事態宣言特別枠)

資本金:非公開

補聴器販売の常識を打ち破り、「非接触型対面方式」へのチャレンジ!

これまでの常識とされた対面販売ではコロナ禍を乗り切ることはできないため、補聴器販売の流れを大幅に変える非接触方式という革新的なサービスを展開することにより、新時代のニーズに応じた補聴器専門店の構築を目指す。

ミキモト化粧品新京都営業所(京都府: 緊急事態宣言特別枠)

資本金:90百万円(本体) 

ポストコロナ時代に対応した非対面型サービスのニューノーマル化

対面接客の感染リスクを抑えるため、非対面におけるオンラインカウンセリング等およびECサイトシステムの新サービス構築を計画する。

株式会社フォア・ザ・プラネット(群馬県:緊急事態宣言特別枠)

資本金:85百万円 

おもちゃリサイクルショップにおける非対面型新規サービス・新商品提供事業

ウィズコロナ・ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応するため、玩具等の買取サービスのドライブスルー化と、革新的な新洗浄機の導入により新たなサービスを実現する。

カテゴリ5: 新規アイデア提供

新規にアイデアを創造し、提供を目指す分野です。

株式会社エルベ(岡山県:緊急事態宣言特別枠)

資本金:非公開

国内とタイの新市場へ特色ある刺繍商材(新商材)で参入

刺繍商材という新製品で、イベント会場・観光地等、新規市場へガチャガチャでの販売で積極参入する。また、新規市場としてタイ市場へ高品質・低価格な新製品として刺繍商材を現地生産し、現地日本食店等に販売を図る。

株式会社ゼロジャパン(埼玉県:緊急事態宣言特別枠)

資本金:10百万円 年商:2,316百万円(2021年6月期)

業者間オークション運営事業およびジュエリー・サブスクリプション事業

プロ限定のマーケットを自ら主催し、参加者からの出品手数料・成約手数料により収益を得る業者間オークション運営事業およびジュエリーの月額定額制レンタルを行うジュエリー・サブスクリプション事業を展開。

株式会社でんきのサントップ(熊本県:緊急事態宣言特別枠)

資本金:10百万円 

IoT家電で『スマートライフ』を提供する新たなビジネスモデルの再構築

新型コロナウイルス感染症の影響で販売活動が制限され、IoT機器の活用、生活の便利さが体感できる付加価値提案を行い、サービスの提供方法を変更する。「スマートライフ」を提供し頼られる企業になるよう、業態転換を行う。

株式会社コンドウ家電(千葉県:緊急事態宣言特別枠)

資本金:10百万円 

ドローン活用による太陽光発電設備の点検・保守事業への進出による事業再構築

太陽光発電システムの設置工事の経験ノウハウをもとにドローンを活用し、今後需要が増大する太陽光発電システムの点検・保守事業に進出し、太陽光発電システムの発電効率低下の回復維持を行う。この事業を通じて、再生エネルギーの有効活用、低炭素社会の実現に貢献しながら自社の事業再構築を図り売上の回復を目指す。

最後に

建設業での補助金受給企業は全体で993件と多数で、この記事で取り上げたのはそのごく一部です。
各事業の詳細はそれぞれの企業のホームページ等でもご確認ください。
これから同補助金を申請しようとしている事業者への参考となれば幸いです。

監修佐藤淳 / 公認会計士
中小企業庁認定 経営革新等支援機関 有限責任監査法人トーマツ(Deloitte Touche Tohmatsu)の東京オフィスに6年間、シアトルオフィスに2年間勤務。 2015年よりアジア最大級の独立系コンサルティングファームの日本オフィスにて事業戦略の構築支援、M&Aアドバイザリー、自己勘定投資の業務に従事。 2017年 自身で旅行スタートアップ(Stayway)を立ち上げ資金調達をした経験を生かしながら、補助金・ファイナンス・M&Aのサポートを実施

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