マル経融資とは?概要と分類、融資条件や活用方法、留意点を徹底解説

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小規模事業を運営する経営者が資金調達を考える際に、「マル経融資」という制度を活用することが可能です。

マル経融資とは聞きなれない言葉でもあり、必ずしも広く浸透していない融資制度ですが、うまく活用すれば事業継続・拡大を図る上で効果的です。

マル経融資について詳しく解説します。

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マル経融資の概要

マル経融資(小規模事業者経営改善資金融資)とは、主に小規模事業者の経営を支援するため、全国各地域の商工会議所等による推薦に基づき、無担保・保証人不要で融資を受けることができる融資制度で、政府系金融機関である日本政策金融公庫が運営しています。

参照:日本政策金融公庫(マル経融資)

そして、融資に当たっては通常措置と拡充(特例)措置の2種類があり、それぞれの資格要件について定められています。

通常措置

通常措置について解説します。

概要

マル経融資は、各地の商工会議所等で経営指導(原則6ケ月以上)を受けた事業者に対し、無担保・無保証人で日本政策金融公庫が融資を実行する制度です。
※沖縄県の場合は日本政策金融公庫が沖縄振興開発金融公庫となります。

融資対象者

融資を受けられるのは次に該当する事業者です。

  • 常時使用する従業員が20人以下(*)の法人・個人事業主であること
    (*)商業またはサービス業(宿泊業および娯楽業を除く)に属する事業を主たる事業として営む場合は5人
  • 最近1年以上、商工会議所地区内で事業を行っていること(商工会地区の場合は「商工会地区内」)
  • 商工会議所の経営・金融に関する指導を原則6ケ月以上受けており、事業改善に取り組んでいること(商工会地区の場合は商工会の経営指導)
  • 税金(所得税・法人税・事業税・都道府県民税等)を完納していること
  • 日本政策金融公庫の非対象業種等に属していない業種の事業を営んでいること

融資の条件

  • 貸付限度額:2,000万円
  • 返済期間:運転資金7年以内(据置期間1年以内)、設備資金10年以内(据置期間2年以内)

※上記条件での返済期間の取扱いについては、2022年3月31日の日本政策金融公庫受付分までとなります。

  • 担保・保証人:不要(保証協会の保証も不要)
  • 利率:1.21%(特別利率F適用、2021年9月1日現在)

活用事例

  • 運転資金:仕入資金、手形決済資金、給与・ボーナスの支払いなど
  • 設備資金:工場・店舗の改装資金、車両購入、機械設備の購入など

拡充(特例)措置

続いて、拡充(特例)措置について解説します。

融資対象者

新型コロナウイルス感染症の影響により、最近1ケ月間等の売上高または過去6ヵ月(最近1ケ月を含む)の平均売上高が前3年のいずれかの年の同期と比較して5%以上減少している、または同等の状況にある事業者(※)
※商工会議所の実施する経営指導を受け、商工会議所会頭の推薦あることが要件です。

融資の条件

  • 融資限度額:通常の融資額 + 別枠1,000万円
  • 利率:当初3年間は0.31%(*)、4年目以降は1.21%(特別利率F)
    (*)1.21%(特別利率F) - 0.9%(別枠の1,000万円以内、2021年9月1日現在
  • 返済期間(うち据置期間):設備資金10年以内(4年以内(別枠の1,000万円以内))、運転資金 7年以内(3年以内(別枠の1,000万円以内))

特記事項

「特別利率F-0.9%」の適用限度額は新型コロナウイルス感染症特別貸付における「基準利率-0.9%」の適用限度額に含まれます。
一部の対象者については、特別利率F-0.9%の部分に対して中小企業基盤整備機構から利子補給を受けることにより、当初3年間が実質無利子となります。

災害型のマル経融資項目

  • 令和2年7月豪雨関連
  • 令和元年台風第19号等関連
  • 東日本大震災関連

必要書類

マル経融資を申請する際に必要となる書類は次のとおりです。

法人の場合

  • 前期・前々期の決算書および確定申告書
  • 決算後6ヶ月以上経過の場合は最近の残高試算表
  • 法人税・事業税・法人住民税の領収書または納税証明書
  • 商業登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
  • 見積書・カタログ等(設備資金の申込みの場合)

個人の場合

  • 前年・前々年の決算書(または収支内訳書)および確定申告書
  • 所得税・事業税・住民税の領収書または納税証明書
  • 見積書・カタログ等(設備資金の申込みの場合)

留意事項

不動産を所持し、新規申込みを行う場合には、現在の権利関係が記載されている不動産謄本(全部事項証明書)の提出が必要です。
その他、必要に応じて追加書類の提出を求められる場合があります (例:1,500万円超の申込の場合は事業計画書が必要)

最後に

マル経融資について解説しました。

小規模事業者にとって、通常の形式で金融機関から融資を受けるには審査が厳しく、思うにまかせない状況があります。こうした状況下で、このマル経制度を有効に活用することで、事業運営の継続・拡大に資することができれば効果的です。

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